生産者さまの声
精密潅水を利用されている米生産者さまのご紹介
「米」と聞いて、水田で栽培される水稲(すいとう)を思い浮かべる人が多いでしょう。しかし、長らく根付いた水稲文化とは裏腹に、畑に種を撒き水を張らずに稲を栽培する「陸稲(りくとう)」が点滴灌水によってより効率の良い栽培方法になるとして、注目されています。
稲は嫌気(けんき)状態によってよく育つという5,000年来の仮説があります。嫌気状態とは、作物が空気に触れていない状態。つまり、水田のように水で土壌を覆っている状態のことを指します。作物の生育過程で嫌気状態に耐えうる稲は稀な存在でしょう。一方で、陸稲は好気状態という作物が空気に触れた環境で稲を栽培します。そこで大切になるのが潅水ですが、ネタフィムの点滴潅水を陸稲に導入して栽培された米は、従来の水稲より水の使用量を70%減らし、メタンの排出をほぼゼロにし、ヒ素の吸収を最大90%減らすことを可能にします。
・好気栽培で育つ稲
イネは嫌気状態で育つという驚異的な能力を持っていますが、元々好気状態でも生育が可能。水田でのメリットとなるのは、水を張ることで雑草が生えることを防げるという点ですが、現在では無農薬の除草剤や最低限の供給量で済ませるための灌漑システムなど、陸稲にとって好ましい環境づくりが可能になりました。
・収益性の向上
水を張らなくなることにより、輪作が可能になります。そのため、米以外の作物も栽培できるようになります。そのため、収穫量とともに収益性の向上が見込めます。
・実は含まれているヒ素を削減
水稲栽培では、作物の中に微量のヒ素が含まれることがあり、健康被害が懸念されています。点滴灌漑では、ヒ素が含まれる原因となる稲の水没がないため、ヒ素の取り込みが90%削減されます。
・節水
水田で1トンの米を生産すると、5,000立方メートルの水を消費することになります。しかし、点滴潅水で米を栽培すると蒸発散量が減り、溶脱、地下浸透を防ぐことができ、結果として70%の節水、つまり1,500立方メートルの水で栽培が可能です。
・環境負荷の大きな温室ガス「メタンガス」を削減
水稲栽培から排出されるメタンガスの量は、全世界の排出量の20%を占めています。水稲農家の1割が点滴灌水で陸稲栽培に切り替えると、同じくメタンガス排出元として危惧される自動車4,000万台分排出量相当の削減ができるのです。
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サステナブル・ライス・プラットフォーム(SRP)は、100以上の機関メンバーからなる研究団体で、UNEP(国連環境計画)とIRRI(国際稲作研究所)が共同主催しています。SRPは、持続可能な生産基準、指標、取り組み団体に還元されるインセンティブ・メカニズム、離れた場所でも届くアウトリーチ・メカニズムといったきめ細やかな支援策開発し、米生産における持続可能で広範な導入を行い、農場内およびバリューチェーン全体の稲作システムにおける、資源利用効率と気候変動への耐性を促進します。ネタフィムは、水田から点滴潅水での栽培へ移行を推奨することで、持続可能な未来に向けた稲作分野の変革を支援しています。
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